コラム

歯周病の予防とは?(国際歯科大会に参加)

尊敬するお二人の先生、築山鉄平先生・宮本貴成先生による日本国際歯科大会のPHIJ(Perio Health Institute Japan)セッションに衛生士3名と副院長が参加してきました。

世界的に活躍する5名のスピーカーに、最新の歯周病事情をご教授いただきました。

 

歯周病という言葉は誰しも耳にするようになったと思います。ですが、歯周病の予防をどうしたらよいか、についてはうまく伝わっていない、と日々実感します。

先日、「1年に1回、歯科医院に歯石とりに通っている。」という患者さんがお越しになりました。まじめに1年に1回、自発的に歯科医院に通われ、その行動に頭が下がります。その方は歯石とりをしてもらっているし、特に歯周病と言われていない。むし歯も指摘されなかった。とのこと。たまたま、その日、かかりつけの歯科医院が休診だったため、応急的に当院にお越しになりました。

当院は熊谷崇先生の実践される、スウェーデンの教授Bo Krasse先生の提唱するMTM(メディカルトリートメントモデル)を行っています。レントゲンを撮り、大きなむし歯と進行する歯周病を認めました。

歯周病は歯肉の中で進んでいく病気で、見た目では、よほど悪い状態でない限り自分ではわかりません。初期・中期は自覚症状は特になく、レントゲンを撮らない限り歯周病の進行は気づきにくい。歯周ポケットはなくても、骨はなくなっている、つまり現時点では歯周病が落ち着いているが、進行した状態、ということもあります。

むし歯は見た目だけでは見つけることができないこともあり、レントゲンを撮ると神経に近いぐらい大きなむし歯を見つけることは、わりと頻繁にあります。

むし歯と歯周病の現在の状態を正しく評価してもらってほしいと思いますし、歯科医院はその正しい評価をしてほしいと思います。

歯周病の治療は歯ぐきの上だけ触っていても全く意味がありません。歯ぐきの上の歯石だけを取っていても、歯ぐきの中に歯石がある、深いポケットが存在する場合は、進行していきいます。それには何回かかかるものです。

歯周病の治療が終われば、徹底的なバイオフィルム除去が必要です。バイオフィルムとは細菌の塊です。プラークもその一つです。セルフケア、ご自身での歯みがきに加え、歯科医院での機械的なバイオフィルム除去。その方のリスクに応じて、一般的には3ヶ月に1回は歯科医院に通い、歯ぐきの検査をし(現時点での歯周病の評価を行い)、時にはレントゲンを撮り、OHI-Sにて現時点・将来のリスク評価を行う必要があります。

歯周病の検査を受けていない、レントゲンを全顎的に撮っていない、1年に1回(1日で終わる)の場合は、一度歯周病についての予防法を見直してみてはどうでしょうか?

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