コラム

スウェーデン・マルメ研修 Day1

スウェーデン マルメ研修スタートです。

まずは「むし歯」についてです。

60名ほどの衛生士さんとともに、しっかり学びたいと思います。

 

スウェーデンでの講義中、炭酸水が置いてありました。水やお茶でなく、炭酸水です。スウェーデンではもともとの水にフッ素が含まれており、水道にするのに、フッ素濃度を減らし調整する地域もあるようです。スウェーデンの炭酸水にはもちろんフッ素が含まれています。

 

さて、「むし歯」は削って詰めるだけでは、その原因を退治したことになりません。日本では、むし歯の治療=「削って詰める」と考える方がほとんどではないでしょうか?むし歯の原因にアプローチし、むし歯になる状態を、脱灰と再石灰化とのバランスを整えることこそ、むし歯の治療だと言えます。

むし歯ができるには、いくつかの因子が関与します。「細菌」「歯みがき」「食事・糖」「唾液」「フッ化物」これらの因子がどういう状態かわからずして、むし歯の再発は防げません。

口の中の修復物は永久に持たないことがわかっています。詰め物の劣化、セメントの劣化、新たなむし歯。およそ8年から10年で修復物の半数はやりかえることになります。その中でも最もよくある再修復の理由は、新しいむし歯です。そのためには、「唾液検査」が必要になります。見えない因子を可視化するのです。

 

世界の傾向を見ても、むし歯は現代病であり、贅沢病と言えます。豊かになり、砂糖が手に入るようになってから、むし歯は急激に増えました。これはむし歯に「糖」が関係することを強く示唆します。また1970年ごろから世界各地でフッ素が用いられるようになり、糖の摂取が減らなくとも、むし歯が減っていきました。これはむし歯の抑制に「フッ素」が関与していることが言えます。むし歯は多因子疾患であり、詰めるだけでは終わらないことをぜひみなさんに知ってもらいたいとそう願っています。

 

むし歯の少ないスウェーデンにも新たな問題があるようです。「移民」の方たちです。「移民」の方にはスウェーデンのようなむし歯の原因にアプローチする考え方を持たない方が多く、むし歯が後を絶たないとのことでした。その方たちへの啓蒙活動が始まっているそうです。

 

とても興味深い話が盛りだくさんでした。いつか詳細をご報告できればと思います。

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