むし歯などで失われた歯の代替手段となるのがインプラントや入れ歯、ブリッジです。いずれもメリットやデメリットがあり、適している方法は人それぞれ異なります。残っている歯の状況を加味して、違いを把握し選択する事が重要です。 

治療方法を決める際は、自分にとって何が大切かを明確にする必要があります。見た目は自然な歯に近いものがいい、できるだけ短期間で治療したいなど、希望を明確にしてみましょう。そうすることで、自分に適した治療方法が見つかります。 

それでも決められない時は、歯科医院でも相談してみましょう。歯に関する悩みや不安、希望などを伝えれば、最適な治療方法の提案やアドバイスを受けられます。 

もちろん当院でもご相談いただけますので、お気軽にお問い合わせください。 

インプラントの特徴

インプラントは、人工的な歯根を埋め込み、被せ物を作る治療方法です。近年は耳にする機会も増えましたので、インプラントを検討中の方も多いのではないかと思います。入れ歯やブリッジより歴史は浅いものの、歯を失った際の代替手段としては、ポピュラーになりつつあります。 

インプラントは顎に人工歯根を埋めるため、1〜2回ほど手術が必要です。費用も少々高く、1本あたり数十万円の治療費がかかります。ほとんどの場合、治療費は自己負担で、健康保険は適用されません。また、顎の骨の量によっては治療できない場合があります。

一方、インプラントは歯根を顎に埋め込むため、自然な歯と同じ感覚で利用できるのがメリットです。 被せ物には歯と同じ色のセラミックを使いますので、入れ歯・ブリッジと比較して審美面も優れています。 

入れ歯の特徴

入れ歯は、自由に取り外しできる義歯のことをいいます。部分的に利用する部分入れ歯と、全体を覆うように装着する総入れ歯の2種類に分けられます。床（しょう）と呼ばれる土台があり、そこに人工歯を取り付けることで歯を再現しています。床は金属やプラスチックなど、さまざまな素材で作られています。 

入れ歯は異物感が強く、人によっては会話や発音に影響することがあります。歯や顎の状態により、 入れ歯の調整が必要になります。また、こまめな洗浄も必要ですので、手入れの手間が増えてしまうこともデメリットといえます。耐久性は材質によりますが、1〜2年程度で破損してしまう場合もあります。 

入れ歯は健康保険が適用されるものと、適用されないものがあります。健康保険が適用されるものでは他の方法と比較して治療費は抑えることができ、健康保険外の入れ歯では金属を利用して異物感を減らしたり、金属の部分の見えにくい素材に変更したりできます。 

ブリッジの特徴

ブリッジは、失われた歯の両隣の歯を土台にして、橋をかけるように装着する治療法です。インプラントと同じく、天然の歯と同じ機能性を持つ一方、装着時の違和感もほとんどありません。歯を失った 際のポピュラーな代替手段で、セラミックや金属が使われています。 

ブリッジは、両隣の健康な歯を削らなくてはならないうえ、健康な歯の歯根に問題がある時は装着することができません。また、被せた部分と歯肉の間に隙間ができやすく、食べ物が詰まってしまう場合もあります。金属製の場合、目立ってしまうこともデメリットといえます。 

一方、ブリッジはインプラントと比べて短期間で治療が可能です。個々の症例によりますが、数週間で治療が完了します。また、健康保険が適用されるものと、適用されないものがあります。 

インプラント、入れ歯、ブリッジ、どれがおすすめ？

インプラントや入れ歯、ブリッジなど、さまざまな代替手段がありますが、どれが適しているかは人それぞれです。方法によってメリットやデメリットが異なるほか、予算や希望、歯の状態なども影響します。 

例えばインプラントの場合、審美面では他の方法より優れているものの、健康保険適用外のため、 治療費が高額になりがちです。健康保険を利用して費用を抑えたい方にとっては、入れ歯やブリッジのほうが最適でしょう。 

一方、入れ歯やブリッジは見た目がよいとは言えません。審美面はインプラントに劣るため、見た目を重視する方には不向きです。どの治療法を選んでも、定期的な歯科の受診は必須となるでしょう。 

まとめ

歯が失われた場合、何らかの方法で治療することが大切です。インプラントや入れ歯、ブリッジなど、 さまざまな方法がありますので、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。それぞれメリットとデメリット が異なるため、しっかりと比較して決めることをおすすめします。