コラム

むし歯のかぶせ物で使用する「銀歯」と「セラミック」の違いは?

むし歯を治療する際、むし歯菌に感染している部分は削らなければ治りません。
そのため、治療を終えて削られた部分・大きな穴が空いた部分は何らかの歯科材料・修復物で補わなければなりません。

その際、一般的に選択肢となるのが「銀歯」と「セラミック」の2つです。
今回は、銀歯とセラミックそれぞれの特徴とメリット・デメリットを解説します。

 

銀歯とは?

保険適用になることから選択する人が多い銀歯。金属を主原料としており、色は銀色です。
とても丈夫なのが特徴で、簡単に壊れることがなく歯科材料として昔から使われてきました。
ただし、銀色は口の中で目立ちやすく見た目が良くない、金属アレルギーの原因にもなるというデメリットもあります。

デメリットを踏まえ、近年では保険適用の範囲内で銀色ではなく白色の歯科材料を使ったむし歯治療も行えるようになりました。
主原料となるのはレジンで「コンポジットレジン」と呼ばれるプラスチック製の樹脂が使用されています。

色が数種類あり、より自分の歯の色に近いものを選べるのが特徴です。
さらに、2020年10月から「ハイブリッドセラミックレジン冠」と呼ばれる従来のレジンよりも丈夫な材質でできた割れにくいかぶせ物も保険適用の対象となっています。

金属を使用しないため、アレルギーの心配はありません。また天然歯に近い透明感がある点はメリットです。
とはいっても金属製のものよりも強度が弱いので、経年劣化が起こりやすく強い歯ぎしりで割れることもあります。

 

セラミックとは?

美しさを追求したい、強度を重視したいというときに選択する人が多いセラミック。
セラミックとプラスチック樹脂を混ぜたもの、セラミックとダイヤモンドのジルコニアを使用して作るものなど、値段によってさまざまな種類があります。

天然の歯の白さや光沢、透明度や質感を再現するのが得意で、本物の歯と見分けがつかないほど自然に仕上がります。
長期間使用しても変色することなく、耐久性にも優れています。歯と精密に適合させられる点が特徴で、隙間なく埋めることでむし歯菌が入り込みにくく、再発リスクも銀歯よりも低いというメリットも期待できるでしょう。

もちろん金属を使用しないため、金属アレルギーの心配はありません。
目立ちやすい位置やより丈夫さを求める場合は、セラミックがおすすめです。

ただし、天然の歯よりも硬く丈夫なので、歯ぎしりなどで接地する歯が削れてしまう恐れがあるため、注意しなければなりません。
またセラミックのかぶせ物は保険適用外の自由診療であるため、歯科医院によって費用は異なります。
セラミックの種類によっても金額が異なるので、使用を検討したいときは歯科医院で相談しましょう。

 

目的や要望に合わせて選ぼう

むし歯は歯を削らなければ治せないため、かぶせ物を使わなくてはなりません。
できるだけ長持ちするものが良い、見た目の違和感がないものを選びたいなど…人によって目的や要望は異なります。

銀歯にするかセラミックにするかで悩んだときは、かぶせ物をする位置やかかる費用をしっかりと確認し、医師と相談しながら治療を進めていきましょう。

 

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