根管治療とは、歯の神経を抜く治療のことです。すでにむし歯が神経にまで達している場合は、神経を抜くという治療が必要になるでしょう。

根管治療を受けた歯は、神経がなくなるため痛みは感じないのが普通です。しかし、神経を抜いたのにまだ痛みがある…という場合は、治療した部分に原因が潜んでいます。

ここでは根管治療を受けた歯が痛む原因と対処法を紹介します。

歯槽骨炎を発症している

神経を蝕んでいた細菌をしっかりと取り除いたつもりでも、歯の根の周りにある骨にまだ細菌が残っており、骨の部分が炎症して痛むことがあります。
歯槽骨の炎症は、炎症を抑える薬や抗生物質で治療を行えば改善するでしょう。

ただし細菌が完全に取り除けていない場合は、もう一度かぶせ物を取って再度治療をする必要があります。

治療中にむし歯になった

根管治療には、長い時間がかかります。そのため、仕事が忙しい、通うのが面倒になったなどの理由で神経を抜いてから放置していると、根の部分がむし歯になりやすいです。

治療を継続している人も、かぶせ物をするまでの仮の蓋をしていた期間に細菌が入り込み、そこからむし歯になる…というケースもあります。

根管治療は途中で通うのをやめず、治療が完了するまで継続して通いましょう。

根の端から詰め物や空気が漏れている

歯の根の中の清掃・消毒を終えたら、詰め物を入れて密閉します。その際、詰め物が歯の根の端から染み出してしまい、根の周辺が圧迫されて痛むこともあります。

時間の経過とともに収まっていく痛みなので、しばらくは痛みが続くかもしれませんが自然と収まるのを待ちましょう。

かぶせ物のサイズが合っていない

かぶせ物の大きさは、根管治療で重要なポイントです。かぶせ物が大きすぎると、反対側の歯に当たって圧力がかかり、根管治療をした歯が痛みます。

歯科医院でかぶせ物を削ってもらい、サイズを調整しましょう。

薬剤が漏れてしまった

歯の根の中の清掃と消毒には、防腐剤や薬剤を使用します。細菌や死んでいる神経組織を書き出して取り除くことを数回繰り返しますが、この際に根の端から薬剤が漏れ出すと痛みが生じます。

漏れ出した薬剤は洗い流してもらい、痛みが治まるまでは抗生物質と鎮痛剤を服用しましょう。

感染した根管に見落としがあった

歯の根には管が通っており、管が複数ある奥歯は見つけ出すのが難しいケースも少なくありません。
感染していた管を見落としてしまい、神経が残ったり細菌が増殖したりすると痛みを感じます。

感染した根管はすべて取り除かないと痛みが続いてしまうため、もう一度根管治療をやり直しましょう。

根管治療後の痛みはすぐに相談！

根管治療後に痛みが生じている場合は、どんな原因であってもまずは歯科医院に相談しましょう。
自然と収まっていく痛みであれば良いのですが、中には根管治療をやり直さなければいけない痛みもあります。

根管治療をしたのだから一時的な痛みだろう…と放置しておくと、最悪の場合歯を抜かなくてはならないかもしれません。
痛みにはさまざまな原因がありますが、自分自身で判断しないことが大切です。

また、同時に定期的なチェックも大切です。根管治療が終わった歯はむし歯にならないと思っている人は多いですが、実はむし歯になる可能性はあります。
根管治療をした歯はもろく、残っている歯の根の部分は割れたりひびがはいったりしやすいです。
神経がないので痛みが弱く、気づいたときにはかなり進行していた…というケースも多いため、普段から気を付けなくてはいけません。

細菌が入り込む隙を作らないように、セルフケアをしっかりしながら歯科医院で定期的にチェックを受けましょう。

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